舘林喜助さんに聞く  

舘源(舘林喜助)さんは、2020年3月、日本橋三越本店で展示会を開きました。これを機会に、近況をうかがいました。

 

―最近の作品はどのような。

舘林 (縁や高台の周りなどに)いつも線を引いていたのですが、今回線を取りました。今の若い世代に何か新しい感じになるかなと思って試してみました。今までは入れるのが当たり前という考えで入れていました。受けるかどうかはまだわかりません。

 

―絵柄は。

舘林 いつも新しいものをと苦心はしています。なかなか新しいものが見つかりませんが。

 

―舘源さんが絵付けをされますが、器も製作されているのですか。

舘林 自分のところで図案を起こして、それを作ってもらっています。

 

―最近の有田はどうですか。

舘林 相変わらずです。コロナでますます厳しいのではないですか。だんだん規模が縮小して、老舗も他人にわたったりしています。

 

―鍋島様式など伝統絵柄をやられる人は減っているのですか。

舘源 少なくなっていると思います。

―どうしてでしょうか。

舘源 需要が引っ張っていくので、そういう文化が出てこないと無理ですね。それと、手をかけるほど値段が上がるから、使ってくれないのです。私も手描きですから、値段をそれなりにするのに苦心をしています。

 

―描ける人もいなくなっている。

舘林 商業ベースで図案を起こして描ける技術を持った人は本当に少なくなりました。美術工芸に足がかかったような人はいますが。


入荷 

―舘源さんの後継者は。

舘林
 いません。いなくてホッとしています。跡を継ぐのも大変です。