馬場真右衛(エ)門 
 これも昔の話になるが、初めて真右衛門さん(先代)とお会いしたのは、平成元年のころだと思う。そのお話は衝撃的であった。うろ覚えであるが、 真右衛門さんはサラリーマンをしていたが先祖が窯炊きだったこともあり、息子に陶芸家になってもらおうと自宅に窯を築いた。息子さんは当時東京で大学生をしていたが、卒業間近なり、当時の成田空港建設工事でアルバイトをしていて事故で亡くなってしまう。真右衛門さんは、それでは自分で窯を興そうと決意、それから陶芸の道に入る。すでに50歳を過ぎていた。
 遅れて出発したにも関わらず、真右衛門さんは、他人のやらない辰砂など、難しい技術に挑み、それを自分のものにした。最初、私はその鮮やかで多彩な色彩に驚かされた。その完成度は、有田でもトップクラスだと思う。
 息子さんを失くして始めた陶芸だが、娘婿になった九洲夫さんが息子さんの志を継いでくれた。真右衛門さんの作風を守るとともに、独自の作風も切り開いた。そして、2007年、九洲夫さんが真右衛門を襲名した。今は日展会友として、東京でも頻繁に個展を開いている。
 当ギャラリーは、先代作品も数多く、また現真右衛門の作品も、「銀河」シリーズ中心に取り揃えています。有田では他にない、色彩の強さと、それでいて品格をあわせもった一品ばかりです。
stores.jpはこちら 
   
   
トップページ