藤ノ木土平さんインタビュー

2020年2月、東京・新宿の柿傳ギャラリーで「唐津焼十二人展」が開かれ、当ギャラリーでお付き合いいただいている岡本作礼、浜崎節生、藤ノ木土平各氏が出品されました。そのうち、藤ノ木土平さんにお話をうかがいました。

 
 

―最近はどのような作品を。

藤ノ木 私は昔から食器と茶道具とあとはオブジェの3拍子でやっていますが、最近特にレリーフが面白くて、集中的に作るようになりました。

―これは削るのですか。

藤ノ木 盛ります。

―以前から唐津にあるのですか。

藤ノ木 唐津にはないです。新しいことをどんどん挑戦しないと。

―きっかけは。

藤ノ木 お客さんに太陽の文様を作ってくれと言われまして。今回出したのは出雲にある太陽紋とネズミ。天女のレリーフ。下にあるのは、不老不死の霊芝です。

―窯焚きは以前と同じですか。

藤ノ木 変わらず、登り窯が年に5回、穴窯が年に1回というスタンスです。

―息子さん(藤ノ木陽太郎)が自立されたのですね。

藤ノ木 最近は自活するようになりました。窯は一緒ですが、展示は別にしています。

―黒田陶苑の個展も別。

藤ノ木 息子と1年おきに開いています。

―作風は。

藤ノ木 一緒にやっていると似てくるので、作家である以上違うものを作るようにきつく言っています。

―最近の唐津焼の世界はどうですか。

藤ノ木 若手が出てきたのですが、こういう時代になって、お互いに競い合い、食い合ってしまうというか。そういう状態が若干出てきている。ゆゆしき問題です。

-お年は。

藤ノ木 70歳になったばかりです。