2代真右エ門窯 馬場九洲夫さんインタビュー
(2014年12月1日 東京・新宿京王百貨店個展会場にて)
―今おいくつですか。
―62歳です。
―先代の真右エ門さんはいつ亡くなったのですか。
馬場 5年前です。
―その時に襲名された。
馬場 襲名はそれよりずいぶん前、平成9年か10年でしょうか、父が病気をして作家活動を停止した時に。
―最近は、2代目真右エ門と馬場九洲夫と、両方の名を使われるのですか。
馬場 先代の作品はほとんど残っていないのですが、窯ものといいますか、真右エ門窯として作っている作品があります。それを「2代真右エ門」の名で出しており、私個人の作品は「馬場九洲夫」の名です。私が「2代目真右エ門」と名乗ると、お客さんも紛らわしいのではないかと思います。
―先代が作っていた辰砂と、馬場九洲夫さんの辰砂は違いがあるのですか。
馬場 ずっとやっているわけですが、今でも進化はしていると思います。辰砂は、私のライフワークになると思います。
―馬場九洲夫さんとしては、何に取り組んでいると言ったらよいですか。
馬場 私の焼きもの作りのスタンスは、モデルがあるのではなく、今までになかった何か新しいものができないかということで、試行錯誤しています。だから何ができるかわかりません。
―その中でも特徴は。
馬場 私の好きなのは、中国でも宗の時代のものです。あの時代は、皇帝が焼き物への関心が高く、そういう時に焼きものが発展します。
―日展で活躍されている。
馬場 中央では秋の日展と春の現代工芸展に出展しています。日展は今年で18回目、2年前の16回目の日展で特選をいただきました。
―東京での展示会が多いですね。
馬場 東京での個展は今回で3年ぶりの2回目。普段は東京の百貨店で売り場催事という形で出しています。
―息子さんが、一緒に仕事をしているのですか。
馬場 長男が陶芸家、次男が窯ものの仕事、3男が販売を担当しています。
―故青木龍山さん(有田の陶芸家、文化勲章受章者)の影響を受けているのですか。
馬場 龍山先生とは遠い姻戚関係にあり、父と一緒にいろいろ教えていただきました。